必ずお読み下さい

本サイトの情報は一般的な介護の知識提供を目的としており、個別の医療アドバイスではありません。

PR

食事介助の注意点

介護技術(お役立ち情報)
この記事は約8分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

この記事の対象者

在宅介護を初めて行う人

家族での介護を行う人

新米の訪問介護士

特に大事なポイント

大丈夫だろう・・・は危険なので出来ない前提でゆっくり進めましょう。

むせたらお休みし、すこし様子をみましょう。

食べ終わってすぐ横にしない、最低でも30分はすこし上体を起こしましょう。


こんにちは、本日は食事介助の注意点を書いていきます。

記事の対象者は、ご家族の介助を行う方です。


初めに

本記事は一般的な介護情報を提供するものです。具体的な健康上の問題については、医療専門家にご相談ください。


食事介助 基礎編

介護士でもない限り、なかなか食事の介助をすることはありませんよね。

食事介助で介護士として気を付けている事、テクニックなどを載せていこうと思います。

ご家族の介護に活用していただけたら幸いです。

食事介助とは

自力で食事を摂る事が難しい方に対し、安全に食事を摂れるようサポートする行為です。

これは食事を摂取し、栄養面を確保するだけの行為ではありません。

より安全である必要があり、日々の食事から生活に楽しみを見出してもらう事も重要です。


食事介助の注意点

食事の形態

食事の形態ってあまり聞き覚えがない言葉かと思います。

体調が悪化し入院したかたは、時に食事を飲み込む能力が一時的にでも低下する事があります。

そのため、飲み込みやすくするために、食材を一口大にカットする、細かく刻む、ペースト状にする等の工夫がされているんです。

退院までに通常の食事が取れればいいんですが、中には飲み込む力が以前よりも低下してしまう方もいます。

このような場合は、ご自宅でお料理に同じような工夫が必要な場合があるのです。

当然ですが、どのような食事形態にするべきかは病院の医師や看護師にしっかり確認をする必要があります。

聞き忘れてしまった場合は、なるべく早く確認を取りましょう。

しらずに通常の食事を出してしまうと、うまく呑み込めずに別の病気へと発展する可能性もあります。


飲み込む力がどれくらいあるか

食事形態が決定し、退院時に医師・看護師と相談、又は書類に食事形態が書いてありその通りに提供したとしましょう。

しかし、実際にはそれよりも飲み込む力が低下している事があります。

お部屋の温度や角度、食事の温度や粘度等、様々な要因が考えられるのですが病気の進行という可能性もあります。

これも教わった通りにやっているのに、どうも飲み込めないようだ、むせこむなぁ、こう感じたら要注意で専門家に確認しましょう(専門家=医師・看護師)

病院で過ごしていたよりももっと能力の低下が発生しているかもしれません。

大丈夫だろう・・・というのは危険で、何でも疑ってかかるくらいでちょうどいいです。

食事は楽しい時間ですが、同時に命に係わる問題ですから。


とろみ剤という物

とろみ剤という物をご存じでしょうか?

とろみ剤+水+極少量の調味料でつくるんですが、トロトロのあんかけを想像していただければOKです。

刻んだ料理は口の中でばらけてしまい、噛む回数の減少や唾液の減少が発生すると通常より飲み込みずらいのです。

各料理にこのとろみをかけたり混ぜたりすると、口の中でばらけずまとまり喉通りが良くなり飲み込みしやすくなります。

飲み物に入れればトロっとして、一気に流れ込んでしまう事を防ぎます。

飲み物がガバット入ってしまうと、一気に流れすぎてしまいむせ込みの原因となりますので、指示があった場合は飲み物にもとろみをつけましょう。

注意

とろみは適性につけましょう。

もしつけすぎると固まりすぎてしまい、トロトロを通り過ぎてドロドロ、又はわらび餅に近くなります。

特にとろみが必要な方は飲み込む力が弱まっているので、わらび餅まで行ってしまうと詰まる恐れがあります。

とろみはパッケージ裏に適切な分量が書かれていますので、しっかり確認して作りましょう。

片栗粉で代用できませんか?

と良く聞かれます。

この様な場合は片栗粉で代用する事も可能ですが、お勧めはしませんので緊急時のみにとどめてほしいです。

片栗粉は過熱しなければいけないので、飲み物に入れるには適していません。

さらに唾液で分解されてしまい、さらさらになってしまいます。

唾液で分解されず、加熱しなくてもとろみがつくのがとろみ剤のメリットです。

分量をまもれば、全員が同じとろみ加減で毎回お料理を提供する事も可能です。

このような理由からとろみ剤の使用をお勧めします。


食べやすい姿勢

人それぞれ食べやすい姿勢がありますが、この姿勢も重要です。

ベッド上で食べるならしっかり飲み込めるよう、体を起こして食べていただきましょう。

この時の理想的な角度は、経験者ならこれくらいでまず為そうと判断で気ます。

しかし介護の経験がない場合は、やはり医師や看護師にしっかり確認を取るべきです。

角度をつけ過ぎれば苦しいし、角度がなさすぎると気管に入る恐れもあり危険でしょう。

しっかり事前に確認をしておきましょう。


食べ物を説明して認識してもらう

皆様は、普段食事をする時何を考えるでしょうか?

今日は何かな?、好物かな?、どれくらいの量かな?。

いざ食事をするとなれば。

どれから食べよう?、どれくらいの量を口に入れようか?、一口食べたら次は何を食べようか、一つを集中して食べようか?毎回違う物を食べようか?

このようにいろいろと、無意識かもしれませんが考えていると思います。

介助をされる人もまったく同じです、たとえ言葉を発する事が難しくても同じなんです。

いきなり口に(何か)を入れられそうになれば抵抗したくなります、なんだこれ?と思うのも無理はありません。

事前に今は何の時間なのか、これから何をするのか、献立は?、今スプーンに乗っているのは何か。

こんな情報をお話ししながら介助すれば、相手も納得しスムーズな食事提供ができるでしょう。

しっかり食べてもらえれば、これだけで誤嚥(食物などが、なんらかの理由で、誤って喉頭と気管に入ってしまう状態)の危険は減るのです。


見える角度からスプーンを近づける

私たちが食事をするときは、あまりスプーンの角度について意識しないかもしれません。

しかし、食事介助において、スプーンの角度や位置は重要です。

角度が高いとスプーンが迫るように感じ、口に入っても上から落とすように入れることになります。

少し横向きにして、声をかけながらゆっくりと口に近づけましょう。

声掛けが聞こえないような人でも、目で見れば何が始まるのか理解できる場合があります。

それも困難な方には、下唇に少し食事をつけてあげましょう。理解し、口を開けてくれる場合があります。

時に、なかなか口を閉じてくれない場合があります。

このとき、上の歯で食事をこそぎ落とすようにする方がいますが、あまりお勧めしません。

食事を食べる準備ができないまま食品が口に落ち、そのままむせてしまう可能性があるためです。

この場合は、舌にスプーンをつけると、口腔内に食事が届いたと理解(または反射的に)し、口を閉じてくれます。

口が閉じたら、スプーンを引きましょう。

そうすれば、安全に食事を食べていただくことができます。


むせ込みがあったらお休み

どのようなむせ方でも、むせ込みがあればいったんお休み。

これは私が常日頃、管下の職員に教えている事です。

たとえ少量でもむせこむ力が弱ければ誤嚥へとつながります。

ですからむせこんだなと思ったら、一度休憩を挟みましょう。

少量の食品や水分でむせ込むような場合、飲み込む力が弱まっている可能性も高いです。

医師や看護師に飲み込みについて相談するようにした方が良いでしょう。

よく、むせたので水分、という方がいますが場合によっては危険です。

とくに水分にもとろみをつけるレベルの方は、むせこんでいる最中にとろみのついた水分を口に入れたことでさらに誤嚥リスクが高まる恐れがあります。

このような方はそもそも極少量で食事をしているはずなので、少し落ち着くのを待った方が良いでしょう。

このような場合は、特に医師や看護師に食事の進め方について確認を取りましょう。

とろみの量、食事形態、一回の量について詳しく教えてくれるはずです。

安全に召し上がっていただくためにも、是非確認をお願いします。


たべおわった後は

食べ終わったら休憩ですよね?ねかせちゃっていいですか?なんてよく言われます。

半分は正解で食後に休憩は必要でしょう。

しかしベッドを平らにするのはよくありません、食事のあとすぐにベッドを平らにすると食べたものが稀に逆流する事があります。

げっぷをしたときに食べ物が戻る経験があるでしょうか?(汚くてごめんなさい)、似たような現象だと思っていただければいいですが、食べ物が戻る事があるんです。

この時にベッドが平らで、ご自身で体の移動ができない、急な移動ができないような方の場合はそのまま気管に入る可能性があります。

ですから、食後はベッドに少し角度をつける方が良いでしょう。

30分くらい様子を見て、問題なければ平らにするくらいがいいでしょう。


食事を作るのが大変なら宅配弁当もアリ

番外編みたいな部分ですが、キザミ食を作るのもとても大変です。

お仕事等が終わってからお料理を用意するのはとっても疲れます。

しかも食べやすくする必要があり、普通の食事とは違います。

最近はぶんぶんチョッパー等、便利な調理器具がふえましたので、そこまででもないかもしれません。

ただ、これが毎日となればなかなか一苦労ですよね。

そのためそのような方々へ向けた宅配のお食事も世に出ています。



これは一例ですが、ご参考になれば幸いです。

コメント